XCROOZ

べ り ー あ。

べ り ー あ。

べ り ー あ。


眠るサカナ。







風の強い朝。


まだ東京に居るお兄ちゃんに誘われて、クラブで飲んで徹夜して帰宅。




ベランダに出て、ため息を吐く。
白い息は風が散らした。



幸せな気分の後にむなしさが降ってくるのは、どうしてだろう。





脳がいい加減休めと信号を出す。



寝室へ行き、ベッドを見たとたん、体力気力の糸が切れた。
棒っきれのように横たわる。
シーツは日なたの匂いがした。






くうくうと、泥のように眠った。













目を覚ましたら、もう夜。



魚のようにすっとベッドを出る。




愛猫の名前を呼んだ。
とろんと眠気の残った声で。



愛猫は、にゃおん、と一声泣く。
まだごはんをあげてないことに気付いて、ごめんねごめんね、と顎を撫で、すぐごはんをあげた。












ふとカレンダーを見る。
もう9日かー。
早いなー。
束の間だった。
まるで、しゃぼん玉ができて割れるまでの時間ほどに。









スマホが鳴っていたけれど、あたしは聞こえないふりをする。







ごはんを作って食べた。
半熟の卵が黄色い血液のようにぽたぽたと落ちる。

輪切りにしたキウイを食べた。
あたしはこの黒い種子の粒々が、小さな虫の巣のように見えて、どうしてもキウイを好きになれない。
でも。
ビタミンが多いから食べているんだ。
よく熟れた今日のキウイは、果肉が溶けかけている。






食後にコーヒーを作って飲んだ。
コーヒーの底に沈んでいた砂糖を飲んでしまい、口の中は膜を張ったように砂糖がこびりついて吐きそうになる。











睡眠欲も食欲も満たされると、次は…活字が恋しいなー、と思って、ソファーに寝ころんで村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』を読んだ。
この本はもう何度も読んでいる。





村上春樹の本は全部持っているよ。





読み始めて、しばらくして両手でまぶたを押さえた。
今日は文章がちっとも頭に入ってこない。






あたしは、村上春樹の本を置いて、雑誌を見ることにした。


いつも買っている雑誌は、ar、小悪魔ageha、ageha、姉agehaの4冊だよ。



今夜は、arを見る。
あるモデルさんに魅了された。
くびれる所とふくらむ所がはっきりした体つき、ふんわりパーマをかけたボブヘアーにナチュラルメイク。
可愛いし、色気もある。


憧れるけれども、
だけれども、だけれども。
あたしは自分の持ち味を伸ばそうと思った。










過眠のせいか頭の中に白いもやのようなものが広がっている。

思考も乾いた海綿のように軽くカサカサする。






空気がくず湯のように重たくなってくる。
こんなときは何か音楽を流したほうがいい。
ステレオからONE OK ROCK。











明日は何を着ようかなー。

moussyのパープルのニットに、Snidelのチュールタイトスカート 、LADYMADEの袖ファー付きコート、バッグはCHANEL、ブーツはDIANAのバイカラーブーツにしよう。

moussyのニットはセールで形がとっても可愛いのでパープルとブラック2色買いしたの。










彼女からLINEがきた。
もうすぐ帰るよー。って。






一緒にお風呂に入りたくて、バスタブに湯を入れる。




下を向くと剝げかけたブラウンゴールドのマニキュアをぬった足指が見える。


塗りなおしながら、彼女の帰りを待ってよう。
2018/01/09 19:44